◎今日のテキスト
春のあたたかい日のこと、わたし舟《ぶね》にふたりの小さな子どもをつれた女の旅人《たびびと》がのりました。
舟《ふね》が出ようとすると、
「おオい、ちょっとまってくれ。」
と、どての向こうから手をふりながら、さむらいがひとり走ってきて、舟にとびこみました。
舟《ふね》は出ました。
さむらいは舟のまん中にどっかりすわっていました。ぽかぽかあたたかいので、そのうちにいねむりをはじめました。
黒いひげをはやして、つよそうなさむらいが、こっくりこっくりするので、子どもたちはおかしくて、ふふふと笑《わら》いました。
——新美南吉「飴だま」より
◎感情を客観的に見る(一)
昨日は2級ボイスセラピスト講座の初めての銀座教室での開催だった。
この時期には珍しく、台風4号が本州を上陸して、関東地方にもどんどん近づいてくるなかでの講座だった。
夜の部が終わるのが午後9時近くだったので、電車が動いて無事に世田谷まで帰れるのかどうか不安だった。そういう不安な感情を、マインドフルに客観的に見ることができるようになれば、人生はずいぶん楽になる。
自分がいまどういう感情に支配されているのか、その感情はどういうニーズから来ているのか、認識できれば、落ち着いて対処できるようになるのだ。
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