◎今日のテキスト
白い雲。ぽっかり広告軽気球が二つ三つ空中に浮いている。――東京の高層な石造建築の角度のうちに見られて、これらが陽の工合でキラキラと銀鼠色に光っている有様は、近代的な都市風景だと人は言っている。よろしい。我々はその「天勝大奇術」または「何々カフェー何日開店」とならべられた四角い赤や青の広告文字をたどって下りて行こう。歩いている人々には見えないが、その下には一本の綱が垂れさがっていて、風に大様に揺れている。これが我々を導いてくれるだろう。すると、我々は思いがけない――もちろん、広告軽気球がどこから昇っているかなぞと考えて見たりする暇は誰にもないが――それでも、ハイカラな球とは似つかない、汚い雨ざらしの物干台に到着する。
——武田麟太郎「日本三文オペラ」より
◎自分のことを大事にする(二)
社会生活のなかでは、さまざまな文脈のなかで自分のニーズを無視して行動することが多い。
本当は休息のニーズがあるのに、上司から期限を切られて命じられた仕事があるために、自分のニーズを無視して無理に仕事をしてしまう。
そのとき、ちょっと立ちどまって、自分の休息のニーズがどのくらい大切なのか、もしとても大切なのだとしたら、そのことを上司に伝えることはできないのか、また上司とそのニーズを共有して、結果的に仕事をよい結果に導く方策はないのかなど、自分を大事に扱うことから出発していろいろなことが結果的によい方向にいくことを深く考え、伝えることができる。
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