◎今日のテキスト
海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪ばかり。
曇った北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪《のろ》っているのです。
いつはてるとも知れない呪。
海にいるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にいるのは、
あれは、浪ばかり。
——中原中也『在りし日の歌』より「北の海」
◎動きながら読んでみる、いろいろな場所で読んでみる
海をながめているとき、自分の身体はどんな感じになっているだろうか。
山を登っているとき、満員電車に乗っているとき、料理を作っているとき、お風呂にはいっているとき、自分の身体がどんな感じになっているのか、繊細に観察してみる。
それぞれ身体の感じが違っているかもしれない。その違った感じの身体つきで、なにかを読んでみる。すると違った感じの声や表現が出てくるかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿