◎今日のテキスト
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
――萩原朔太郎『純情小曲集』より「旅上」
◎音読の呼吸「吐ききる」
「深呼吸しましょう」というとたいていの人はまず息を大きく吸ってから吐く。これもいいのだが、最初に息を吸ってしまうと、胸まわりに筋肉の緊張が生まれ、その緊張がさらに緊張を生み、深呼吸の目的である「リラックスする」ことを阻害する場合がある。
それを防ぐには、最初に息を吐ききるところからスタートするとよい。
呼吸というと、たいていの人はつい息を吸うほうを考えてしまうが、吐くほうをより意識するとリラックスできる。吐ききってしまったあとは意図的に吸わなくても、もとに戻ろうとする胸郭の働きで肺には自然に空気がはいってくる。
まずは息を吐ききることの練習。ふうーっと口から音を出して全部息を吐ききる。全部吐ききったと思っても、かならず残っている息があるので、最後は「ふっ、ふっ、ふっ」と絞りきるようにして吐ききること。
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