◎今日のテキスト
雨降りお月さん 雲の蔭《かげ》
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
一人で傘《からかさ》 さしてゆく
傘《からかさ》ないときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
お馬にゆられて ぬれてゆく
いそがにゃお馬よ 夜が明けよう
手綱《たづな》の下から チョイと見たりゃ
お袖《そで》でお顔を かくしてる
お袖はぬれても 乾《ほ》しゃかわく
雨降りお月さん 雲の蔭《かげ》
お馬にゆられて ぬれてゆく
——野口雨情「雨降りお月さん」より
◎音律の話(三)
和音がもっとも美しく、うなりを生じないで響く音律は純正律なのだが、楽器の発達にともなってそれではいろいろと不都合なことが出てきた。
人の声より高音域だったり、低温域が出せるさまざまな楽器が発明されたことで、純正律だけではつじつまの合わない音域が出てきてしまったのだ。
近代楽器の頂点といえるピアノでは、音域が七オクターブ以上ある。単純に弦振動の倍音で調律する純正律では、低音域や高音域が極端に狂った音階になってしまうのだ。そこで、一オクターブを均等に十二等分した平均率という音律が生み出された。
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